おれの代わりなんかいくらでもいる。オレが消えれば皆代わりを探し出し見つけ、いつものように生活を始める。わらう。なく。よろこぶ。おこる。あさごはんをたべる。ねむる。その全てがなんの問題もなくあなたたちの中で成り立っていく。ずっと揺るぎないものに憧れている。世界から少しでも何かが欠けたらすべてが壊れてしまうような。死んでは生まれて死んでは生まれて、その変化がもうずっと引きちぎれそうなほど苦しい。わたしは自分にとって必要がないもので、だから他人に必要とされたいんだと最近やっと気がついた。甘えだ。わたしの希望や安らぎはいつだって誰かの掌の内にある。俺がそうしている。そうしている。そんな重たくて軽いものがフヨフヨと自分の核を漂っている。二十歳の誕生日にひとりで、資生堂パーラーのミートクロケットを食べて死にたい。わたしがみんなにかけている重たい魔法をはやく解いてあげたい。